声優名
神崎 克樹 (菊花)
[
声優詳細情報
]
価格
700円
文字数
2707文字
サイズ
12136.5 KB
公開日
2013年7月13日
声のタイプ
-
ファイル形式
mp3
売れ行き
この作品の販売回数 :
1回
作品内容
【女性/NL】 加工あり
台詞
■注意■
おためし用のファイルです。
お客様のご好意により許可をいただきましたので、公開させていただきます。
ファイル容量の関係でサンプルには置けませんでしたので、
こちらから0円で出させていただきます。
萌えボイスは【0円ファイルのみで購入はできないシステム】
らしいので、どなたかのご依頼のついでにどうぞ!
BGMなど、加工を加えたものになっておりますが
(現在、萌えボイス経由で、加工含むご依頼は基本的に承っておりません)
演技の雰囲気など、つかんでいただければ幸いです。
***
私の名前は白狐(ビャッコ)ご主人様のタケシがつけてくれた名前だ。
私はエロゲの中で生まれたキャラクターだ。
自動生成されるシステムで、ユーザーの好みと関係なくランダムに女の子が出現する。
そのかわり、ユーザーは自分の気にくわない女の子をイジメ殺すことができるシステムになっていた。
けれどかわいがっていても、会い続ければ一〇日で死んでしまう。
色々なゲームユーザーが自分の好きな女の子が出てくるまで、事務的に女の子を殴って殺し続けている姿を横目で見ながら
私は自分の順番を待った。
「私は女の子らしくないから、きっとすぐにご主人様に嫌われて、殴り殺されちゃうんだろうな
男の人って私みたいな女は嫌いで、きっと萌え萌えした可愛い女の子が好きだから」
そして、私の順番が来た。
私は指一本触れられることなく、舌打ちしたご主人様に殴られ続け、すぐに死んでしまうんだと思ってた。
私が恐る恐る目をあげると、タケシは何故か涙ぐんでいた。
そして、いきなり私をギュッと抱きしめてきた。意味が分からなかった。
あとで聞いたら、それまで一生懸命かわいがってきた女の子がついさっき死んでしまったそうだ。
それにしても、たかがゲームの中でかわいがっていた女が死んだだけで涙ぐむなんて、
こいつは本当にバカな男なんだなって思った。
他のゲーマーなんて割り切っていて、自分の好みの女の子が出てくるまで、サクサク女の子を殴って殺して、
次の女の子を手に入れていた。
だが、こいつは律儀に出てきた女の子を死ぬまで面倒を見ていた。
最初私を見た時、タケシはすごく喜んでいた。
私なんて魅力がないのに、何でこの人はこんなに喜んでいるんだろうと不思議に思ってた。
だけど、鏡を見て分かった。私の髪の毛は真っ白で、尖った狐の耳が頭から生えていたのだ。
このゲームはリンゴの精霊が具現化して人間に変化するんだけど、普通は人間の形で具現化する。
でも、希に希少種として、角の生えたもの、片目に眼帯をしたもの、たれた犬耳、尖った猫耳が出てくることがある。
希少種といえば私自身が希少種のような性格だった。
なんで私みたいな男っぽい性格を作ったんだろう。
おかげで普通の人は私と同じ種族が出てくると手荒に扱ってすぐに殺してしまう。
悲しかった、切なかった。
誰も、愛されることを拒んで生まれてくるわけではない。
自分にとって人生はかけがえのない一つしかない。
「私に見える風景はこの世界しかない。
だから、生きているかぎり愛されたい。
…でも、傷つくくらいなら心を閉じて誰も信じないでいよう」
そんな私の心も知らないで、この男は私の頭に狐耳が生えていることを見つけて小躍りして喜んでいる。
本当にバカな男。
男は私に白狐と名付けた。狐耳の中でも白髪は希少らしい。
「どうせ、すぐに私が嫌になって殺して新しい女の子を呼び出すんだろ」
でも、こいつは私に綺麗な巫女様の服を買ってくれた。
私のために出費してくれるなんて、意外だった。
「こんなの買ってくれたって…すぐに飽きて殺すならもったいないよ」
そう口では言ってやった。
でも心の中ではちょっとキュンとした。
それから、タケシは私をかわいがりつづけ、何とか生かそうとした。
Hな事をしたら寿命が縮む。でも、私の寿命は何もしないでもわずか一〇日あまり。
だから少しくらい寿命が縮まっても私を愛して欲しかった。女としての喜びも知らないまま死にたくなかった。
「私の寿命は元々短いんだ。だったらそんな僅かな時間を、少しでも長く生きていたいなんて思わない。
それよりも、タケシに愛して欲しい。寿命が縮まったっていい。私が女に生まれてきてよかったって思いたい。
タケシに愛されて生きたんだって思いたい」
私が懇願すると、タケシは私を愛してくれた。
嬉しかった。
普通のゲームなら、セーブ機能がついていて、ある処でセーブするとそこからまたやり直せる。
でもこのゲームは酷いことに、オートセーブになっていて、一旦タケシが私に会いに来るだけで、私の寿命は縮む。
タケシは苦しんでいたけど、それでも私はタケシが会いにきてくれることを望んだ。
でも、我侭だったかな…?
タケシは苦しんだ末に、私と会って、私を愛したあと、パソコンを強制終了することを繰り返すようになった。
強制終了することによって、オートセーブは回避することができる。
でも、パソコン自体の機能に障害をきたす可能性のある無茶な方法だった。
「そんな事を繰り返していれば、タケシのパソコンそもものが壊れちゃうよ…!」
私は泣きながらもう止めるように言った。
ゲームなんだから。
私なんか死んでも、また新しい娘を呼び出して殺して、繰り返しつづければきっと、いつか私と同じ外見の子が現れる。
その子にまた白狐と名付けてかわいがればいいんだ。他の人は割り切ってそうしている。
でも、こいつは、私は世界中に私しかいないって言う。
「…ばか」
そして、ついに来るべき時が来た。
私がゲームの中で微笑んでいる時にパソコンがフリーズした。タケシは泣いていた。
それでも、タケシはパソコンの電源を付けっぱなしにして、三日間も放置した。
パソコンは熱を持ち、危険な状態になってきた。
「もうこれ以上やめてくれ、これ以上こんな無茶苦茶な事を続けたら私自身が苦しいからお願い楽にして」
私は心の中で念じた。
タケシは力なくうなずき、私をしばらく悲しい目で見続けたあと電源を切った。わけがわからなくなった。
あれからどれ位時間がたったんだろう。
「あれ?私は死んだんだよな?」
気がついて周囲を見回した。
それは新しいOSをインストールしたタケシのパソコンの中だった。
ゲームホルダーのセーブファイルの中に私は居た。
新しく自分でキャラメイクが出来るソフトが発売されたのだ。
そのソフトを使って、タケシは一生懸命私を自分で作ってくれた。
以前買ってくれた、巫女の装束も着せてくれた。私の宝物。
私が出来あがるとタケシは震える手で私を抱き寄せて、なんども頭をなでて愛撫した。
「なんだよタケシ、お前本当にバカだな。私はたかがゲームのキャラクターなのにさ。こいつ、本当にバカ、うふふっ。
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